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寂しくも穏やかだった空気が不意に重々しくなった。坂上はその変容に一瞬たじろいだが、すぐに持ち直して側の竹林に向かって脇目も振らずに走り出した。 「逃げるの」 たまきの声が背後から響いた。 「はっ、まさか。啖呵切った直後に逃げる馬鹿がいるかよ。付いてこい」 たまきは無言で坂上の後を追う。
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