銃声が響いた。たまきは静かにその場に蹲る。
「外傷はないわ。でも効くでしょう? 精神的に」
 望月がたまきに近づきながら、側にあった短刀を斜め後方に蹴とばす。
「……何の真似? こんな軟弱なことして」
「別に? 今までこうやって退治してきたってだけよ。妖怪なんてものはこういうのの方が効くやつが多いから」
「ああ、そう」
「人であって人ならざる者。神と何ら遜色のない人間。あるいは魔人。でも、それはこっちにとっても好都合。力が強ければ強いほど、当たればこの銃弾の虜になるの。例えそれが神霊であっても例外ではない。そして、貴方はそれをまともに喰らった」
「動けないのも道理ということね」
「そういうことよ。さあ、もう気が済んだ? 貴方も一緒に帰りましょう。あの人が待ってるわ」
 望月が少女に手を差し伸べるが、少女は蹲ったまま動かない。
「結ちゃん?」
「望月! そいつから離れろっ!」 
「え?」

 銃声が響いた。たまきは静かにその場に蹲る。
「外傷はないわ。でも効くでしょう? 精神的に」
 望月がたまきに近づきながら、側にあった短刀を斜め後方に蹴とばす。
「……何の真似? こんな軟弱なことして」
「別に? 今までこうやって退治してきたってだけよ。妖怪なんてものはこういうのの方が効くやつが多いから」
「ああ、そう」
「人であって人ならざる者。神と何ら遜色のない人間。あるいは魔人。でも、それはこっちにとっても好都合。力が強ければ強いほど、当たればこの銃弾の虜になるの。例えそれが神霊であっても例外ではない。そして、貴方はそれをまともに喰らった」
「動けないのも道理ということね」
「そういうことよ。さあ、もう気が済んだ? 貴方も一緒に帰りましょう。あの人が待ってるわ」
 望月が少女に手を差し伸べるが、少女は蹲ったまま動かない。
「結ちゃん?」
「望月! そいつから離れろっ!」 
「え?」

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