生野が再び素早く手を突き出すと同時に望月はそこを飛び上がる。飛び上がると同時に望月のいた場所に衝撃波が起きた。階段にさしたる損傷はないものの、広間に響き渡る衝撃音がその威力を物語っていた。
 階段の前に降り立った望月は髪をかきあげる。
「危ないわね。さっきの当たったら即病院送りだわ。貴方入院費を出してくれまして?」
「保険に入っているなら問題なかろうよ。それにしても全く、可愛げのない。少しは怯えるものかと期待したのだが」
「ごめんなさい、ご期待に添えなくて。でも困ったわね。貴方が降参しないんじゃ、こうするしかないか」
 望月は胸に手を当てて、小さく何かを唱え始めた。
「何をしている」
 しかし、生野のその問いには答えず、望月はぶつぶつと呪文を唱え続ける。
「答えないのなら、こうするまでだ」
 生野は片足を持ち上げ、それから勢いよく地面を踏んだ。踏んだ場所から目にも止まらぬ速さで黒い影が伸びていき、望月の前まで来たかと思うと、地面から這い出て営利な突起物になった。それはそのまま望月を貫こうとする。

 生野が再び素早く手を突き出すと同時に望月はそこを飛び上がる。飛び上がると同時に望月のいた場所に衝撃波が起きた。階段にさしたる損傷はないものの、広間に響き渡る衝撃音がその威力を物語っていた。
 階段の前に降り立った望月は髪をかきあげる。
「危ないわね。さっきの当たったら即病院送りだわ。貴方入院費を出してくれまして?」
「保険に入っているなら問題なかろうよ。それにしても全く、可愛げのない。少しは怯えるものかと期待したのだが」
「ごめんなさい、ご期待に添えなくて。でも困ったわね。貴方が降参しないんじゃ、こうするしかないか」
 望月は胸に手を当てて、小さく何かを唱え始めた。
「何をしている」
 しかし、生野のその問いには答えず、望月はぶつぶつと呪文を唱え続ける。
「答えないのなら、こうするまでだ」
 生野は片足を持ち上げ、それから勢いよく地面を踏んだ。踏んだ場所から目にも止まらぬ速さで黒い影が伸びていき、望月の前まで来たかと思うと、地面から這い出て営利な突起物になった。それはそのまま望月を貫こうとする。

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