「槍?」
 たまきが怪訝な顔をしていると、得物の持ち主が上空より舞い降りて槍を拾う。
「弓納」
「すみません、お待たせしました」
「いや、助かった」
「状況は?」
 弓納が周りを見回しながら天野に言った。
「見ての通りだ」
「なるほど、ですね」
「く、うふふふふ」
 たまきが可笑しそうに笑い出す。
「どうしました。私に何か付いてますか?」
「いいえ、何も、何も付いてないわ。ただ可笑しかっただけ。だって、まだ諦めてないんだもの。貴方達」
「それはそうです。諦めてたら、ここには来ません」
「そうだな。後、望月の仇も取ってやらないと」
「い、ったた。ねえ天野君。聞こえてるわよ」
 望月がゆっくりと起き上がり、そこで膝をついた姿勢を取る。
「おお、地獄耳」
「それも聞こえてる。後で覚えておきなさい」
「ふふ、仲がいいのね。貴方達。羨ましいわ」
「私達の仲がいいかはともかく、お友達が欲しいのならこんな事をしてる暇はないと思うのだけど、如何かしら?」
「甘言ね。残念だけど、そんな甘い言葉を聞く耳は持っていないの。それに、もう貴方達との遊びももうおしまい」
 たまきは踵を返して高舞台へと上がっていく。背を向けた少女の背中へ向けて、望月は銃弾を放ったが、銃弾は高舞台へ登っていくたまきの背中手前で弾かれてしまった。
 望月は眉を顰める。
「結界というわけね」
「ええ。こちらからも手は出せないけど、そもそも貴方達をどうこうしようだなんてつもりはこちらには毛頭ないもの。そこで大人しく待っていなさい」

「槍?」
 たまきが怪訝な顔をしていると、得物の持ち主が上空より舞い降りて槍を拾う。
「弓納」
「すみません、お待たせしました」
「いや、助かった」
「状況は?」
 弓納が周りを見回しながら天野に言った。
「見ての通りだ」
「なるほど、ですね」
「く、うふふふふ」
 たまきが可笑しそうに笑い出す。
「どうしました。私に何か付いてますか?」
「いいえ、何も、何も付いてないわ。ただ可笑しかっただけ。だって、まだ諦めてないんだもの。貴方達」
「それはそうです。諦めてたら、ここには来ません」
「そうだな。後、望月の仇も取ってやらないと」
「い、ったた。ねえ天野君。聞こえてるわよ」
 望月がゆっくりと起き上がり、そこで膝をついた姿勢を取る。
「おお、地獄耳」
「それも聞こえてる。後で覚えておきなさい」
「ふふ、仲がいいのね。貴方達。羨ましいわ」
「私達の仲がいいかはともかく、お友達が欲しいのならこんな事をしてる暇はないと思うのだけど、如何かしら?」
「甘言ね。残念だけど、そんな甘い言葉を聞く耳は持っていないの。それに、もう貴方達との遊びももうおしまい」
 たまきは踵を返して高舞台へと上がっていく。背を向けた少女の背中へ向けて、望月は銃弾を放ったが、銃弾は高舞台へ登っていくたまきの背中手前で弾かれてしまった。
 望月は眉を顰める。
「結界というわけね」
「ええ。こちらからも手は出せないけど、そもそも貴方達をどうこうしようだなんてつもりはこちらには毛頭ないもの。そこで大人しく待っていなさい」

url(../../img/bg_16.jpg)
p30