騒動の渦中の一人であった生野氏は無事である。理由は分からないが、結局日井氏に見逃されたようだ。ただ、黒髪の少女、やちたみたまきに付けられた傷も命に別状が出るものではないものの、完治にはもう少し時間がかかると言われている(ただし、病院に入院しているわけではないとのこと)。元々彼は鬼だということであるが、『真統記』を持っていないこと、それに伴い"鍵"に対する執着も失せていること、加えて元々人畜無害な存在であったため、もう客士の方から何かすることはないらしい。また、生野氏の給仕を務めていた信太氏については前と変わらず生野氏の元にいるとのことである。そして、生野氏の元にいた豊前翁は日井氏と裏で繋がっていたようだが、心底彼に心酔して付き従っていたわけではないようで、騒動以降にふらりと北宮神社に出没して弓納氏を心底閉口させていた。

 騒動の渦中の一人であった生野氏は無事である。理由は分からないが、結局日井氏に見逃されたようだ。ただ、黒髪の少女、やちたみたまきに付けられた傷も命に別状が出るものではないものの、完治にはもう少し時間がかかると言われている(ただし、病院に入院しているわけではないとのこと)。元々彼は鬼だということであるが、『真統記』を持っていないこと、それに伴い"鍵"に対する執着も失せていること、加えて元々人畜無害な存在であったため、もう客士の方から何かすることはないらしい。また、生野氏の給仕を務めていた信太氏については前と変わらず生野氏の元にいるとのことである。そして、生野氏の元にいた豊前翁は日井氏と裏で繋がっていたようだが、心底彼に心酔して付き従っていたわけではないようで、騒動以降にふらりと北宮神社に出没して弓納氏を心底閉口させていた。

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