屋敷から大きな衝撃音が起きる。弓納は咄嗟に衝撃音のした方向に視線を向けた。
「何の音?」
「さて、何の音なんだか」
 豊前翁は肩をすくめる。弓納は途端に攻撃の手を止め、その衝撃音の正体を探り続けた。
「さっきから、屋敷の方ばかりに気を取られているようだが、私のことはいいのかね?」
 弓納はハッとして豊前翁の方を向く。しかし、男は特に何をするわけでもなく不敵な笑みを浮かべながらそこに突っ立っていた。
「別に貴方のことを失念していたわけではありません」
「そうか。だが、そんなに気になるなら行ってみては如何?」
 その提案に弓納は眉を顰めた。
「貴方は一体何を言っているのですか?」
「言葉通りの意味だ。屋敷の様子を見に行けばいいと言っているのさ。なあ、君は私の足止めが目的だったのだろう? なら、私は何もしないから、素直にあっちの方にいけばいい」
「いいえ、信用できません」
「そうか。それならこれでどうだ」

 屋敷から大きな衝撃音が起きる。弓納は咄嗟に衝撃音のした方向に視線を向けた。
「何の音?」
「さて、何の音なんだか」
 豊前翁は肩をすくめる。弓納は途端に攻撃の手を止め、その衝撃音の正体を探り続けた。
「さっきから、屋敷の方ばかりに気を取られているようだが、私のことはいいのかね?」
 弓納はハッとして豊前翁の方を向く。しかし、男は特に何をするわけでもなく不敵な笑みを浮かべながらそこに突っ立っていた。
「別に貴方のことを失念していたわけではありません」
「そうか。だが、そんなに気になるなら行ってみては如何?」
 その提案に弓納は眉を顰めた。
「貴方は一体何を言っているのですか?」
「言葉通りの意味だ。屋敷の様子を見に行けばいいと言っているのさ。なあ、君は私の足止めが目的だったのだろう? なら、私は何もしないから、素直にあっちの方にいけばいい」
「いいえ、信用できません」
「そうか。それならこれでどうだ」

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