銃声が響いた。太は思わず耳を塞ぐ。
「発泡沙汰か、これなら現行犯で逮捕が可能だな」
 望月の撃った弾は目の前の目標に到達せず、屋敷の壁にめり込んだ。
「どうかしら。お巡りさんが来る前に退散すれば現行犯にならないんじゃない?」
「だがこの通り、証拠もある」
「残念ね。壁を調べても現物は出ないわよ。そういう弾だもの」
「弾のことは言っていない。監視カメラがあるとは思わなかったかね」
「あら大変。それなら、何が何でも貴方をここでのしちゃわないと」
「出来るかな」
「もちろん」
「望月さん! 後ろ――」
「天野君」
 いつの間にか玄関にいた信太が服の内に仕込んでいたナイフを望月に突き立てようとした。しかし刀が届く数センチ手前で、破壊された壁に吹き飛ばされて横に転がる。
 打ち破られた壁から天野がのっそりを現れた。
「お呼びでございますか。お姫さん」
「おだてても何も出ないわよ。そっちお願いね、天野君」
「へいへい」

 銃声が響いた。太は思わず耳を塞ぐ。
「発泡沙汰か、これなら現行犯で逮捕が可能だな」
 望月の撃った弾は目の前の目標に到達せず、屋敷の壁にめり込んだ。
「どうかしら。お巡りさんが来る前に退散すれば現行犯にならないんじゃない?」
「だがこの通り、証拠もある」
「残念ね。壁を調べても現物は出ないわよ。そういう弾だもの」
「弾のことは言っていない。監視カメラがあるとは思わなかったかね」
「あら大変。それなら、何が何でも貴方をここでのしちゃわないと」
「出来るかな」
「もちろん」
「望月さん! 後ろ――」
「天野君」
 いつの間にか玄関にいた信太が服の内に仕込んでいたナイフを望月に突き立てようとした。しかし刀が届く数センチ手前で、破壊された壁に吹き飛ばされて横に転がる。
 打ち破られた壁から天野がのっそりを現れた。
「お呼びでございますか。お姫さん」
「おだてても何も出ないわよ。そっちお願いね、天野君」
「へいへい」

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